About Choline Compound

    No.1 コリンの摂取量は足りない?


    2021年3月14日

     コリンは、生体において細胞膜を構成するリン脂質の素材であり、神経伝達物質であるア セチルコリンの前駆体など重要な枠割を果たしている4級アンモニウムイオンのトリメチルアミノメタノールである。更に、ヒトの場合、コリンは肝臓にてde novo の合成系で僅かに生成できるだけで、大部分の供給源は食事由来になっている。近年では、胎児期から乳幼児の脳を構築して行く上で重要な物質であると指摘されており、特に米国では妊婦、授乳婦に対してコリンの摂取量強化が叫ばれている。
     このため、米国コリンの目安値(AI)に関しては、ヒト試験の結果から成人男性550 mg/ 日、成人女性425 mg/ 日と設定された。特に強化が必要な、妊婦は480mg/日と授乳婦は550mg/日と設定した。何故、妊婦と授乳婦にコリン化合物摂取の強化が指摘されているかというと、胎児期、乳幼児期の脳の形成に際してコリン化合物が重要であるからである(Nutr Rev. 2006, 64(4),197-203.)。一方、コリンの過剰摂取がもたらす悪影響としては、コリン作動性の副作用(例えば、発汗、下痢)および魚臭様体臭の発生と共に低血圧が挙げられる。そのため成人に対する耐容上限量(UL)を3.5 g/ 日と定めている。更に、米国農務省はコリン摂取がしやすいように主要食品に含まれているコリン量に関して情報(USDA Database for theCholine Content of Common Foods)を提供している。ちなみに、欧州においても食品に関連するリスク評価、安全性について科学的助言を行っている欧州食品安全機関においてコリンの有用性の認可を求めて25 件もの申請が出され、2016年にAIが設定された。成人におけるAIを400mg/日とし、妊婦は480mg/日と授乳婦は520mg/日と設定された。米国では、国民のコリンの平均摂取量を検証した結果、設定したAIに比べて不足していることが明らかとなり(Nutria Today, 2018, 53(6), 240-253. 表)、米国国立衛生研究所では2018年より4年間で260万ドルの助成金を元に摂取状況の再検証を開始した。

    表) 2011〜2014年の米国での平均コリン摂取量

Copyright (C) Ohkubo Lab., Sendai Shirayuri Women's College. All Rights Reserved.