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    今さらですが「傾聴力」


    2021年3月14日

     先日、とある会社の役員様と話をする機会がありました。
     テーマは、将来社会人になる学生に必要なもの。何が必要か、、、色々と話をしましたが、一番大切なのは「傾聴力」ということになりました。

     確かに、振り返ってみると今まで色々なヒトにお目に掛かってきましたが、ヒトの話をトコトンよく聞いて下さるヒトはそんなに多くないように感じます。何故、ヒトの話を聞かないといけないのか。

     傾聴するとは、ただ単純に聞くことに徹するだけではダメです。言葉の意味を理解することは当然ですが、表情や声のトーンなどまで注意を払い、相手の気持ちに寄り添いながら聞くことです。話し手は、聞き手が真剣に聞いている姿勢が伝われば、気分良く話してくれますし、伝えるべきことを的確に伝えるためにより深く話してくれます。円滑なコミュニケーションには必要不可欠です。また、傾聴すると、良い質問、本質を突ける質問が出来ます。質問する力が高まれば、話が弾み、内容が深まります。

     確かに自分を鑑みると、なかなか出来ることではありません。本当にヒトの言うことを聞けていないのかと思います。
     ただただ、本当にヒトの話が聞ける能力を高めたいものです。傾聴力を身に付ける。日々修業です。「ミラーリング」、相手と同じ動き。「バックトラッキング」、オウム返し。先ずは、ここから始めますか。

    読書のススメ


    2021年1月1日

     冬休みは、読書をするのに良い機会です。なぜならば、年末の年賀状や年始の論文など書くことを少し放っておいて、日々忙殺される中、ほんの少しとまとまった時間が取れる良い機会だからです。

     読もうと思って購入した本の山を横目に、久しぶりに「独創は闘いにあり」(西澤潤一 元東北大総長)を読み返しました。具体的には、大学生の時に読んで以来だったのでおよそ30年ぶりに読み返しました。西澤先生は半導体デバイスの世界では顕著な業績を沢山築かれた方です。読み進めると、研究の原点は「憤り」と言うことに気が付きます。何かに対する反骨精神は研究を進める上で重要なことです。今の自分を鑑みると、その反骨精神が薄れつつあることを思い知らされる良い機会になりました。名著は、何回読んでも新たなる気付きがあります。日々忙殺される中で、流されていた自分に楔を指してくれます。

     こういうことが読書の良いところです。なぜ、こんな経験ができるのか、、、元リクルートで「よのなか科」を広めた藤原和博さんの著書「本を読む人だけが手にするもの」の中にもありましたが、読書は、著者の経験を疑似体験できることが素晴らしいことだと痛感します。自分も研究者の端くれと自負していますが、今回の読み返しは、世界の先端を走っていた研究者である西澤先生の思考を疑似体験したことで「刺激」を受けたわけです。

     本を読むと、ものの見方が何となく分かってきます。偉いヒト、権威のあるヒトが言っていることが正しいとは限りません。その最たるものが大学の教員の言っていることです。サイエンスは日進月歩です。自分のこと言うのはおこがましいですが、脂質栄養学を研究テーマにしている私にとって、脂肪酸は血液脳関門を通らない、よって機能性のある脂質は脂肪酸の構造では脳に運ばれないと思っていました。また、そう教えていました。しかし、最近の論文を漁ると、少量の脂肪酸は脳内に運ばれることが立証されています。このように数年前に言っていたことが、もう「嘘」という悪質なものではないですが陳腐化していることはしばしばです。だらか、研究者(教員)は常に謙虚に真摯に学問に接しないといけないし、更に権威に対する反骨精神は失ってはいけないのです。このため、今回の読書は二重の意味で良かったかなと思った次第です。とにかく、大学の先生の言っていることは疑いましょう!

     学生のマインドはそれくらいで丁度良いように思います。

    ここで、唐突ですが、ふと思い出しました。ここの示した2つの世界地図。日本人は左側の地図を見慣れていますが、世界の常識は右側の地図です。この地図を見て、率直にあることを感じ、その感じたことを立証した研究者がいます。その名は、アルフレート・ロータル・ヴェーゲナー(Alfred Lothar Wegener、1880 - 1930)です。彼は、大陸移動説を提唱したドイツの気象学者。現在でいう地球物理学者です。彼は、この右側の世界地図を見て、単純にそして率直に大陸は太古の昔は1つで、これが移動して(引きちぎられて)今の大陸の形を作ったと考えました。確かに西アフリカがカリブ海にはまり込み、南米の東側とアフリカの西側はジグソーパズルのように嵌りそうです。グリーンランドもカナダの東側とスカンジナビア半島と合体しそうです。

     しかし、当時の学会ではウェーゲナーの突飛な発想は到底受け入れられるわけもなく、陽の目を見ずに彼は50歳という若さでこの世を去ります。しかし、彼の死後からおよそ30年経つとマントル対流仮説が登場します。岩盤はそもそも固体ですが、これに強い力が相当量の長い年月加わると可塑変形し、流動性を持つ。この流動性が大陸を移動させた原動力であったとする仮説です。その後、古地磁気学が登場します。地殻である岩石などに残留磁化として記録されている地磁気を解析していくと大陸が移動したと仮定しない限り、立証できないことが幾つも出てきました。この流れによってウェーゲナーの大陸移動説は再評価され、日本だと小松左京さんの「日本沈没」へとつながっていきます。

     失意のどん底でこの世を去った反骨の地質学者の著書「大陸と海洋の起源」が復刻されました。彼を疑似体験するためには、これを読まないわけにはいきませんね。(笑) と、言う感じで冬休み、その次は、春休み、、、そして夏休み。皆さん、出来るだけ名著と言われるものをたくさん読んで、著者の体験を疑似体験してみて下さい。と、いう訳で「読書のススメ」でした。

    アメニモマケズ、コロナニモマケズ


    2020年12月22日

     また、一つ年を重ねました。今年はどこの大学も大なり小なり同じかと思いますがコロナ禍で例年通りの活動が出来ませんでした。当ゼミも夏に実施していた3年生の東京研修(知り合いの先生のラボやメーカーの研究所見学)が出来ませんでした。冬になり巷では、感染者も増えてきて先行きも不透明ですが、研究は " Show must go on " です。

     今、主に手掛けているコリン研究がようやく軌道に乗りつつあります。目標として掲げた2040年の日本人の食事摂取基準にコリンを収載するということが実現できるか否かは別にして、この興味深い、面白い研究を研究人生後半で結実させたいと思っています。そのためにはたくさんデータを出して、たくさん論文をPublishすることです。これを実現させるにはラボの学生さんの力は必要不可欠です。如何せん、学生さんと対峙する自分も若くいられます。これに乗じて頭も若いままなら突飛なアイディアも出てくることでしょう。学生さんには、有形無形で助けられていることを実感します。時には、アホなことを言われて腹も立ちますが、それもご愛嬌で、若い力は偉大です。

     また、これからの1年、学生さん達と共に頑張ってきましょう。今の3年生も来年は東京に連れていければ良いのですが、、、

    Let’s get started.


    2020年8月2日

     研究者である以上、自分の行った研究成果は社会に知らしめて、賛否両論いろいろなご意見を賜るべきだと思っています。耳障りのいいことばかりではなく、批判的に見てもらうことも重要です。と、言うことで自分のラボのホームページを開設しました。覗きに来るヒトが多くても少なくても、あまり気にせず、自分が面白いと思った研究を愚直に粛々と進めて行きたいと思っています。そして、一つでも多くの結果(論文等)を紹介出来ればと思っています。

     Peanutsより "You play with the cards you're dealt, whatever that means."

    これから、このホームページがどのように進化するか、廃れるか分かりませんが、どんな環境にいても、着実に1歩進んで行きたいと思います。

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